裁判員の日当はいくらか。それは安いのか,高いのか,妥当なのか。そこで調べてみることにした。
 最高裁判所のホームページに,事務総局編にかかる「裁判所データブック」がある。2017年版によると,裁判員の日当は「10,000円以内」とある。しかし,1時間で済む日も1日中裁判に従事する日もあろう。細かい所まで決まっているのだろうか,そこが分からない。
 そこで,名古屋地方裁判所で聞いてみた。しかし,回答の要領が得ない。規則があるのかないのかしつこく聞いたところ,司法行政文書の開示申出をせよ,という。大げさな話になったが,言われたとおり,書面で開示申立をした。すると,名古屋地裁所長名で,最高裁の通達が開示され,そこには2時間,4時間,7時間,それ以上の区分に応じ,具体的な金額が記載されていた。ちなみに,2時間以内は,4,370円以上4,710円以内となっている。時給に換算すると,2,000円少々となる。
 メンバーで議論したところ,安すぎるという声と適当だとする声が相半ばするという感じだ。ちなみに判事(裁判官10年)なりたての裁判官の月給も上記「データブック」に載っており,51万6,000円(賞与は別)だ。裁判官と裁判員が同じ事件に取り組むのにもらう金額に余り差があるのもどうか,という意見もあった。裁判員の日当が安いのか適切なのか,議論を続けるべきだと思っているが,それにしても裁判所は日当の明細位もっとオープンにしたらどうか,と不思議に思った。